育成コラム

#1『良いコーチって?』


どの業界でも外からの目や情報と、実際に現場に立つ人や携わっている人が感じている現実にはギャップがあるということは少なからずあると思います。

『実際はそうではない』

サッカーの育成現場でもそういう事を強く感じます。

皆さんの良いコーチの基準は何でしょうか?

よく保護者様から所属チームの指導者のクレームを聞きますが、その一つに『ちゃんと教えてくれない』『細かく教えてくれない』という事があります。

逆に保護者様から良いコーチとして挙げられる例が『手取り足取り教えてくれる』『細かく丁寧に教えてくれる』です。

外から見える景色と実際は逆だったという事がありますが、最たる例だと思います。

一見するととても良いコーチのように感じますし、実際にそれらが必要な事もあるでしょう。

ですが、サッカーの育成現場でよく言われるのがTeacher(先生)になってはいけないという事です。

よく学校や塾の先生とサッカーコーチを混同されている保護者様が見受けられますが、指導者で大事な事は教えるではなく、導いてあげる事です。

これが本当に難しいですし、コーチとして忍耐力が求められる部分で教えてしまうのは凄く簡単な事です。

元プロ選手や高キャリアを謳う指導経験の浅い指導者に多い傾向がありますが、元から学ぶ力や考える力のあるお子さんはティーチングを受け一定の成果は出るでしょう。

ただ小学生年代に学ぶ力や考える力が高いレベルで備わっているお子さんはどれだけいるでしょうか?

本当に良い指導者とは、一つ一つの課題に対してただ教えるのではなく、選手自身の学ぶ力や考える力を育て自ら答えを導き出すよう誘導してあげれる我慢強い人の事です。

私は保護者様からチームの指導者のクレームを聞いた時は深く知らないという事もありますし、否定も肯定もしないように心がけていますが、気付いていないだけで実はとても良い指導者に出会っているかもしれません。

一度日頃の練習の際に指導者が選手にどういった声かけをしているか注目してみてください。

☑︎選手のコントローラーになっていないか
例:選手が何をするか指導者が決めてしまっている

☑︎常に選手に問いかけ答えを引き出そうとしているか
例:選手が答えをだすのを待てずに教えて終わる

☑︎選手ではなく指導者が主役になっていないか
例:試合中に選手の声ではなく監督、コーチの叫ぶ声ばかり聴こえてくる

これらは私自身が常日頃現場に立った時に心がけている事ですし、私自身も完璧ではなくその都度反省を繰り返しながら指導者として成長し続けなければと考えています。

皆さんの何かに役立てれば幸いです。